カンパお届け報告

 このキャンペーンは、呼びかけ開始から約1ヶ月半という、限られた期間でおこなった緊急キャンペーンでした。上関原発のための漁業補償金の問題に、ここ1年以上ものあいだ揺れつづける祝島の状況を目の当たりにして、やむにやまれぬ思いで模索し、上関原発を建てさせない祝島島民の会(以下、島民の会)の運営委員の方々にご相談させていただきつつ検討を重ね、傍観でも介入でもない何かができないかと、勇気を奮いおこして立ちあげた試みでした。

 


 お陰さまで多くの皆さまのご協力に支えられ、思いがけない早さで目標額を達成することができました。祝島の方々への敬意と感謝と応援の念が、全国のそして世界の各地に、広く厚く存在すること実感しました。その後も祝島への応援の輪は広がりつづけ、 一次締め切りとした718日 現在、2363人の方々が20,106,106円をお寄せくださっています。これほど多くの方々が、祝島のためにすばやいアクションを起こしてくださったこと。寄せてくださったカンパやメッセージや絵に託された気持ち。それをお届けする役目の重さ。まさに身の引き締まる思いで迎えた721日の海の日でした。発起人3人で相談し、カンパの目録には次の言葉を記しました。

 

祝島島民のみなさまが、これまでの三十二年間、上関原子力発電所計画に抗い、海や山、暮らしを守り続けてきたことに、心からの敬意と感謝を表します。私たちは、これからも祝島の方々と共に闘い、学び合い、喜び合える者でありたいと願います。ここに有志二三六三人からの応援金20,106,106円を、謹んで贈呈致します。」

 



 この言葉を、発起人である纐纈あやと山秋真、事務局を引き受けてくださった山本裕美さんの3人で一文ずつ申し述べ、カンパの目録・皆さまが寄せてくださったメッセージ・イラストレーター黒田征太郎さんが「祝島のために役立ててほしい」と寄せてくださった『海の絵』を、島民の会の運営委員の方々へ手渡しました。

山口・広島方面の8名の方々が、カンパにご協力くださったうえ、この日も祝島へ駆けつけ、ご一緒してくださったので、おひとりずつメッセージをいただきました。祝島の方々は、そうした心をしっかりと受けとめてくださいました。受けとってくださる側も、お届けする側も、言葉にできない思いは涙になりました。

 

 
当日は、「祝島へ感謝と応援届けようイベント」も、郵便局前の広場で開催させていただきました。島民の会さんと祝島の朝市グループさんの多大なるご協力のもと、黒田征太郎さんの『海の絵』30点を祝島の飲食店さんとイベント会場に展示。32年ものあいだ海をまもりつづけてくださった祝島で、『海の絵』を、皆さまにご覧いただくことが叶いました。 

 

 朝市グループさんは、有志による出店にくわえ、祝島の女性お手づくりの「お昼ごはんプレート祝島スペシャル」の特別販売もご用意くださいました。氏本農園さんの豚肉のカルパッチョ、祝島のちらし寿司、祝島の寒干し大根をつかった島料理「かんぴょう汁」、祝島のもずく、祝島のテングサでつくった黒糖味のところてんと、祝島が守りぬいてきた山海の恵みが満載。祝島の無農薬びわ茶のサービスもあり、32年抗いつづける祝島の底力の源の一端を垣間みせていただくような内容です。 

 

 昼食のあとは、門司港を拠点に活動をしておられる筑豊大介さんに、猿回しをご披露いただきました。上関の原発計画が浮上したころ若手だった女性たちが、島帽子をかぶり手押し車を押してお集まりくださり、お猿のイッペイちゃんとテッペイちゃんの芸を笑顔で楽しんでくださいました。まだ若いテッペイちゃんは、これまでできなかった技を、この日は涼しげな顔でやってのけたとか。大介さんによると、お客様と会場の雰囲気がとてもよくて、飛躍できた日だったそうです。

 

 恒例の月曜デモを、この日は特別に午後4時へ繰りあげてくださったので、日帰りで祝島へお越しになられた方もデモに参加させていただくことができました。いつもより長いデモの列から、「原発はんたーい、えいえいおー」「きれいな海をまもろーう、えいえいおー」の声が、梅雨明けの青空に吹く風にのって響きわたりました。

 

 翌22日は、島民の会の全員集会で、このキャンペーンについてのご報告を発起人の纐纈と山秋からさせていただきました。皆さまがカンパ金とともに寄せてくださったメッセージも、一部ご紹介させていただきました。読みあげられたメッセージに涙される方のお姿もありました。 

 

 このキャンペーンは、漁協の赤字補填金の支払いという急場をしのぐためのものでした。その目的は、お陰さまで無事に達成することができました。同時に、継続的な支援を模索したいとの声も、少なからず届いています。「みんなの海をわたしも守る」と、今回の呼びかけに応えてくださった方々と手をとりあい、今後もなんらかのかたちで、できることをひとつずつ実践したいと願います。よろしければ、これをひとつの始まりとして、ひきつづきご関心ご協力をお願いできますと幸いです。 

 



なお、会計報告は後日、このホームページに掲載させていただきます。